ワーカープレイスメントおすすめ7選|入門と選び方
ワーカープレイスメントおすすめ7選|入門と選び方
ワーカープレイスメントの面白さは、共有アクションの早取りと手番順が、そのままプレイヤー同士の読み合いになるところにあります。平日夜に3人で『ストーンエイジ』を遊ぶと、欲しかった木材のマスを先に押さえられ、狩猟に回って出目に賭ける――そんな「埋まった悔しさ」と「代替手が見える楽しさ」が、このメカニクスの核です。
ワーカープレイスメントの面白さは、共有アクションの早取りと手番順が、そのままプレイヤー同士の読み合いになるところにあります。
平日夜に3人で『ストーンエイジ』を遊ぶと、欲しかった木材のマスを先に押さえられ、狩猟に回って出目に賭ける――そんな「埋まった悔しさ」と「代替手が見える楽しさ」が、このメカニクスの核です。
この記事では、先取り・ブロック・手数制限といった基本を短時間でつかみつつ、定番7作から自分に合う1〜2本へ絞れるように整理します。
ワカプレに興味はあるけれど重すぎるゲームは不安、という初心者から、2人戦や60分前後、重ゲーへの橋渡しになる一本を探している人まで、実際の遊ぶ場面に合わせて選びやすくしていきます。
ワーカープレイスメントとは? まずは3分で仕組みを理解
共有アクションスペースとワーカー配置の基本
ワーカープレイスメントは、共有されたアクションスペースに自分のワーカー(駒)を置き、その場所に対応した行動を行うメカニクスです。
たとえば「木材を得る」「畑を耕す」「建物を建てる」といった選択肢が盤面に並び、各プレイヤーは自分の手番でワーカーを送り込んでいきます。
見た目はシンプルですが、どの場所も全員で奪い合う共有資源なので、置いた瞬間に盤面の価値が変わるのが特徴です。
この仕組みは、「Action Drafting の様式化された形」とも言えます。
要するに、カードやタイルを取る代わりに、行動そのものをドラフトしているわけです。
日本語圏でよく言われる「働き手を配置して効果を使う」「早い者勝ちになりやすい」という理解ときれいに一致します。
このメカニクスが広く定着していることは作品数にも表れています。
該当作品は1,262作を超え、カフェの品揃えでも220件規模に及びます。
つまり、特定の一部マニア向けの仕組みではなく、現代ボードゲームでは大きな系統です。
一方で、国内のカフェ文脈では 60分〜・難易度★★★あたりに置かれやすく、「軽すぎず、でも重ゲー入門としては王道」という立ち位置になっています。
先取りとブロックが生むインタラクション
ワーカープレイスメントの面白さは、置いたワーカーがただの実行宣言ではなく、他人への制限にもなるところです。
多くの作品では、先に置かれたスペースはそのラウンド中ほかのプレイヤーが使えません。
作品によっては閉じるのではなく、後から入るには追加コストが必要になることもあります。
ここで重要なのは、「自分に得な手」と「相手に嫌な手」が同じ1手になりやすいことです。
このため、盤面上の価値は固定ではありません。
たとえば『アグリコラ』のように食料や畑が切実なゲームでは、1マスの価値がラウンドごとに急上昇しますし、『ストーンエイジ』のような入門作でも、欲しい資源の場所を先に押さえられた瞬間に計画全体が少しずれます。
プレイヤー同士が直接攻撃しなくても、置く順番だけで圧力が発生するわけです。
初心者卓で見落とされやすいのも、まさにこの点です。
強いアクションを覚えることに意識が向きやすく、「どの場所が強いか」ばかり見てしまいます。
ですが実戦では、「自分が取りたい場所」以上に「全員が取りたい唯一の場所」が重要になります。
先手で唯一の畑を押さえたとき、卓に小さなため息と笑いが同時に起きる場面がありますが、あの一瞬にワーカープレイスメントの本質が詰まっています。
行動の強さは、空いているかどうかで決まるのです。
💡 Tip
ワーカープレイスメントを初めて説明するときは、「強い場所を使うゲーム」ではなく「強い場所を先に埋めるゲーム」と言い換えると伝わりやすいのが利点です。

アグリコラ:リバイズドエディション | ANALOG GAME INDEX
世界中で熱狂的ファンを増やし続けている『アグリコラ』。9年目の改定新版登場。
hobbyjapan.games手番順とアクション解決の流れ
基本の流れは明快です。
各プレイヤーは手番順にワーカーを1体ずつ配置し、そのたびに対応するアクションを解決します。
資源の獲得やカード取得のようにその場で処理する作品もあれば、収穫や得点計算のようにラウンド終わりにまとめて解決する作品もあります。
この「1体ずつ置く」形式があるおかげで、手番のたびに盤面状況が更新され、後手ほど情報が増える代わりに選択肢が減る、という独特の緊張感が生まれます。
ゲーム全体は、こうしたラウンドを一定回数くり返して進みます。
ワーカーを回収し、新しいラウンドでまた配置し、資源を増やし、建物やカードで得点基盤を整え、終了時に勝利点で競うという構造です。
ワーカープレイスメントが戦略ゲームとして評価されやすいのは、1手の価値がそのラウンドだけで閉じず、将来の手数や得点効率に連鎖するからです。
拡大再生産やデッキ構築と組み合わされやすいのも、その連鎖が設計しやすいからでしょう。
『アルナックの失われし遺跡』が好例で、配置とカード運用が互いの手を押し広げていきます。
この流れを体感すると、初心者がまず覚えるべきなのは「強いアクション名」より手番順の価値だと分かります。
早い手番は選択肢を奪える代わりに、後半の展開を読み切る必要があります。
遅い手番は空いた場所で最善手を探す技術が要ります。
だから同じ『ストーンエイジ』でも、説明込みで2時間あれば初回でも収まりやすい一方、実際に遊んだ印象は単なる60〜90分ゲームより濃くなりやすいのが利点です。
1手ごとに「今取るべきか、次に残すべきか」を考えるので、体感時間の密度が高いのです。
この流れが分かると、定番作ごとの違いも見えやすくなりますし、ボードゲーム全般に不慣れならボードゲーム初心者おすすめガイドとあわせて考えると、入門のしやすさも整理しやすくなります。
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アルナックの失われし遺跡 / Lost Ruins of Arnak
ボードゲームの総合情報サイト「ボドゲーマ」では、会員が投稿したアルナックの失われし遺跡(Lost Ruins of Arnak)のボードゲーム紹介文・レビュー・リプレイ日記・戦略・商品情報等を見ることができます。
bodoge.hoobby.netこのメカニクスのどこが面白いのか
手数制限が生む悩ましさ
ワーカープレイスメントの楽しさを一言で言うなら、やりたいことを全部はできないところにあります。
資源も欲しい、建築も進めたい、得点源も確保したい。
けれど、自分のワーカー数には限りがあるので、毎手番で「今いちばん大事なのは何か」を決めなければなりません。
この不自由さが、ただ窮屈なのではなく、選択の輪郭をくっきりさせてくれます。
初心者卓でよく起きるのが、「あ、あれもやりたかった」と手番が終わってから気づく瞬間です。
たとえば序盤に資源を集めるべきか、先に将来の収入源を作るべきかで迷っているうちに、欲しかったマスが埋まり、計画を少しずつ修正していくことになります。
ここで面白いのは、失敗がそのまま次の学びになることです。
1手の重みがはっきりしているので、「今回は食料を優先しすぎた」「このラウンドは成長投資が遅れた」と、反省点が具体的に残ります。
この種の悩ましさは、盤面を前にした沈黙にもよく表れます。
自分の番になってワーカーをつまみ、資源マスと建設マスを見比べたまま数秒止まる。
卓の他の人は「そこ行くのか」と視線を送っている。
あの時間こそ、ワーカープレイスメントがただ手順をこなすゲームではなく、優先順位を決めるゲームだと実感する場面です。
強い選択肢が多いから楽しいのではなく、どれかを諦めるからこそ楽しいわけです。
取り合いと優先順位付けの妙
手数制限だけでも十分に悩ましいのですが、そこへ欲しいマスの取り合いが加わると、ゲームは一気にドラマを帯びます。
自分が必要としているアクションは、たいてい相手にとっても魅力的です。
だから盤面を見るときは、「自分は何をしたいか」だけでなく「相手は今どこを取りたいか」まで考えるようになります。
この読み合いがうまく働くと、1手に複数の意味が生まれます。
自分の計画に必要な資源を取りつつ、相手の伸び筋も少しだけ鈍らせる。
あるいは、本命ではない場所に先に置いて「そっちを狙っているのか」と見せ、次手で本当に欲しいマスを確保する。
そこまで露骨なブラフにならなくても、「このマスはさすがに誰かが取るだろう」「でも意外と残るかもしれない」と読み続ける感覚が、毎ラウンドの密度を押し上げます。
初心者がこの面白さを強く感じるのは、計画通りにいかなかったときです。
狙っていた資源マスを先に押さえられ、予定していた建築ができなくなる。
そこで仕方なく別の生産マスに入り、1ラウンド遅れで立て直す。
すると今度は、その遠回りが後半で効いてくることもあります。
最短距離が消えたとき、次善手から勝ち筋を組み直す感覚は、ワーカープレイスメントならではの快感です。
単に嫌がらせを受けた、で終わらず、資源計画ごと再設計するところに戦略ゲームとしての深さがあります。
筆者はこのメカニクスの対人性を、直接攻撃よりも洗練されたインタラクションだと感じています。
相手を殴る代わりに、場所を先に取る。
露骨に壊す代わりに、タイミングをずらさせる。
その結果、盤面には毎回ちがう物語が生まれます。
同じゲームでも、「あの1マスを取られたから農業に寄った」「建築が遅れたからカード戦略に切り替えた」と展開が分岐していくのが実に面白いところです。
拡大再生産と相性が良い理由
ワーカープレイスメントは、それ単体でも成立するメカニクスですが、拡大再生産と組み合わさったときの気持ちよさが大きいです。
序盤は「木を2つ取るか、カードを1枚取るか」で悩んでいたのに、土台が整ってくると、同じ1手で得られる価値がどんどん上がっていきます。
行動回数は限られているのに、1回ごとの出力が増えていくので、成長が手触りとして分かりやすいのです。
『エバーデール』のような作品で、序盤に生産カードを2枚ほど並べておくと、この感覚がよく分かります。
前半は地味に資源を拾っているだけだったのに、後半になると1手をきっかけに資源がまとまって入り、次の建築やカード展開が連鎖していく。
あの「エンジンが噛み合った」瞬間は、ワーカープレイスメントの我慢がきれいに報われる場面です。
序盤の苦しさが長い助走になっていて、後半に一気に景色が変わるのがたまらないのです。
これはデッキ構築との複合でも同じで、『アルナックの失われし遺跡』のように、配置とカード運用が互いの効率を押し上げる設計では、1手ごとの価値がゲーム中で明確に成長していきます。
ワーカーを置く場所の争いと、自分のエンジンが育っていく感覚が同時に走るので、「今の最善手」と「将来の爆発力」の両方を天秤にかける時間が生まれます。
この相性の良さは、ワーカープレイスメントが本質的に資源計画のゲームだからです。
限られた手数で少しずつ基盤を作り、その基盤が次の手を強くする。
だから成長は数値ではなく、プレイ感として積み上がっていきます。
序盤の1手は苦しいのに、中盤から終盤にかけて「前より選択肢が増えた」「同じ1手でできることが大きくなった」と実感できる。
この積み上がる成長感が、ワーカープレイスメントを何度も遊びたくなるメカニクスにしているのだと思います。

エバーデールのルール&レビュー|動物たちの街作りボードゲーム | ぼくボド
エバーデールは「森の小動物たちが街を作る」という、ワーカープレイスメント系のボードゲームです。日本語版は「2020年1月9日」に発売しました。 今回は『エバーデール(Everdell)』のルール&レビューを紹介します。「エバーデールってどん
boku-boardgame.net初心者がつまずきやすいポイントと遊び方のコツ
最初に覚えるのは3つだけ
ワーカープレイスメントで初心者が最初につまずきやすいのは、見えている情報が多すぎることです。
置ける場所がたくさんあり、資源・建築・カード・手番順・ラウンド効果まで並ぶと、「全部のアクションを理解してから動かなければ」と考えてしまいがちです。
ただ、このメカニクスは全体を暗記してから遊ぶゲームではありません。
実際には、そのラウンドで価値が高い場所は限られています。
筆者が初回卓でよく勧めるのは、盤面を「今ラウンドで欲しい1手」と「取られたときの代替1手」の2択まで絞る見方です。
たとえば『ストーンエイジ』なら、今は食料を支える農業が必要なのか、木材を確保して住居や文明カードにつなげたいのかを先に決める。
全部のマスを比較するのではなく、まず本命を1つ、保険を1つ持つだけで思考が整理されます。
これだけでも、手番が来るたびに盤面全体をゼロから見直す状態を避けやすくなります。
この考え方は、情報量の多い作品ほど効きます。
『アルナックの失われし遺跡』のように、配置に加えてカードや探検先の選択まで絡む作品では、最初から最適解を探そうとすると視線が散ります。
そこで「今ラウンドは移動力を作る1手が欲しい」「取れなければ資源変換でつなぐ」といった形に落とし込むと、複合メカニクスの圧も一気に下がります。
ワーカープレイスメントの読み合いは深いのですが、入口では1手の優先順位だけ見えていれば十分です。
もうひとつ見落とされやすいのが、プレイ時間の感覚です。
ワーカープレイスメントは短くても中身が濃く、入門向けでも『ストーンエイジ』は60〜90分、『ナショナルエコノミー』でも30〜45分あります。
初回はここにルール説明と準備が乗るので、60〜90分級の作品は体感として2時間枠に近づきます。
遊んでいる途中で疲れて判断が雑になると、「難しいゲームだった」という印象だけが残りやすいので、序盤から全力で先読みし続けるより、各ラウンドの目標を小さく切るほうがずっと楽です。
長めのゲームほど、得点の見通しがないまま進むことも迷いの原因になります。
終盤になって急に「何が点になるのか」が見えると、序盤中盤の手が全部不安に感じられるからです。
そこで、中盤に一度ざっくり試算してみると景色が変わります。
建築が主な得点源なのか、カードのセット収集なのか、盤面拡張なのかを途中で確認するだけで、残りの手番が「何となく強そうな手」ではなく「点に変わる手」へ寄っていきます。
初回説明の段階で最終得点はどこから入るかを先に共有すると、参加者の視線がボード上の勝ち筋に集まり、迷子が減るのもこのためです。
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ストーンエイジ / Stone Age
ボードゲームの総合情報サイト「ボドゲーマ」では、会員が投稿したストーンエイジ(Stone Age)のボードゲーム紹介文・レビュー・リプレイ日記・戦略・商品情報等を見ることができます。
bodoge.hoobby.net維持コストがあるゲームへの備え
初心者がもう一段つまずきやすいのは、食料や維持コストがある作品の圧迫感です。
代表例としてよく挙がる『アグリコラ』は、やりたいことが多いのに、まず食べさせる責任が常について回ります。
この設計が名作たる理由でもあるのですが、入門段階では「成長の楽しさ」より先に「足りない苦しさ」が来やすいのが利点です。
ワーカーを増やしたい、畑を広げたい、進歩カードも欲しい──その全部に対して、収穫や給餌が締め付けとして働くので、初学者ほど窮屈さを強く感じます。
この圧迫感は、単に難しいからではありません。
ワーカープレイスメントの基本である場所の取り合いに、生存コストの管理が重なるからです。
欲しいマスを取られただけでも計画は揺れるのに、そこへ「食料が足りないと失点やペナルティにつながる」という軸が加わると、1手の失敗がそのまま精神的な負担になりやすいのです。
重量級を好む人にはこの緊張感こそ魅力ですが、最初の1本としては少し厳しめです。
入門では、維持が軽い作品、あるいは維持そのものが前面に出ない作品から入るほうが、ワーカープレイスメントの面白さをつかみやすくなります。
『ストーンエイジ』は資源獲得と成長の流れが素直で、ダイスの結果も含めて「まず置いてみる」楽しさが掴みやすい設計です。
さらに短時間で感触を知りたいなら『ナショナルエコノミー』のようなコンパクトな作品は取り回しが良く、重さの前にメカニクスの輪郭を理解しやすい立ち位置にあります。
先に成功体験を作ってから、維持コストが強い作品へ進むほうが挫折しにくくなります。
この流れは、同じメカニクスを段階的に学ぶという発想で捉えると分かりやすい傾向があります。
基本形として『ストーンエイジ』のような王道に触れ、次に『アルナックの失われし遺跡』のような複合系で「配置以外の要素が増えると何が起こるか」を知る。
そのうえで『アグリコラ』のような重量級に進むと、難しさの正体が見えたまま受け止められます。
いきなり最終段階へ行くより、ワーカー配置の基本→複数システムの連動→維持コスト込みの全体最適という順番のほうが安全です。
メカニクスの学習としても、この積み上げは理にかなっています。
ℹ️ Note
初回で苦しくなりやすい人ほど、「何を伸ばしたいか」より先に「何を維持しなければいけないか」で思考が埋まりがちです。そういう作品では、成長用の1手と維持用の1手をあらかじめ分けて考えると、圧迫感を受け止めやすくなります。
インストの順番と時短のコツ
初心者卓で遊びやすさを大きく左右するのは、ゲームの重さそのもの以上にインストの順番です。
ルールを上から順に全部説明すると、聞き手は「それが何のためのルールなのか」を掴めないまま情報だけ受け取ることになります。
ワーカープレイスメントは特に、目的と得点の入口が見えていないと、個々のアクション説明がただの記号列になりやすいのが利点です。
筆者が扱いやすいと感じる流れは、まず目的を伝え、次にラウンド構造を示し、そのあとで手番にできる1手を説明する順番です。
ここまで入ると、聞き手は「このゲームでは何を目指し、1回の番で何をするのか」を把握できます。
そのうえで主要アクションを3つほどに絞って見せると、盤面の見方が整います。
資源を取る、拡張する、得点源を育てる、という骨格さえ先に通れば、細かな例外やカード文は後からでも飲み込みやすい構造です。
その次に話したいのが、どう得点化されるかです。
ここを後回しにすると、「建物を建てる意味」「動物を増やす意味」「カードを集める意味」がバラバラに聞こえます。
逆に、最終得点の入り口を先に示すだけで、参加者はボード上のどこを見ればよいか分かります。
初回説明で「このゲームは最終的にここが点になります」と先に置いておくと、視線が勝ち筋へ集まるので、説明中の迷子が目に見えて減ります。
ワーカープレイスメントは選択肢が多いぶん、先にゴールを見せたほうが理解が早いのです。
時短のコツとして有効なのは、よくある詰み筋だけを先に共有することです。
たとえば維持コストのある作品なら「食料が足りないと苦しくなる」、手数が厳しい作品なら「全部はできないので軸を1本決める」といった具合です。
細かい戦略論を長く話すより、「初心者が最初に事故る場所」を短く伝えたほうが、実戦では役に立ちます。
インストの目的は完全理解ではなく、最初の数ラウンドを自力で進められる状態を作ることにあります。
より詳しい伝え方の組み立てはボードゲームのインストが伝わるコツ:準備から脚本テンプレートまででも掘り下げられますが、ワーカープレイスメントに限っていえば、目的→ラウンド構造→1手→主要アクション→得点化の道→詰みやすい点の順が安定します。
情報量が多いゲームほど、説明を削るのではなく、理解の通り道を先に作ることが効きます。
初回から全貌を覚える必要はなく、今ラウンドで欲しい1手が見えれば、ゲームはちゃんと回り始めます。
ワーカープレイスメント定番7選
定番を選ぶ基準は、単に有名かどうかではありません。
ここでは入門のしやすさと、置き場所の先取り・手番順・ブロックといったワーカープレイスメントらしさがしっかり見えるかを軸に並べています。
さらに、2人で遊ぶときの感触、どんな集まりに向くか、拡張が前提かどうかまで見ると、同じ定番でも立ち位置が変わります。
まずは全体像を掴みやすいように、7作を横断で整理します。
なお、人数・時間・対象年齢は国内流通情報やBodogeで確認できたものを中心に、表中で「要確認」としている箇所は「出版社公式 / BoardGameGeek / 主要販売ページでの確認が必要」と注記してあります。
BGG Weight は複雑さの参考指標として使えますが、個別数値はここでは挙げず、難易度目安として読み替えています。
| 作品名 | 人数 | 時間 | 対象年齢 | 難易度目安 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ストーンエイジ | 2–4人 | 60–90分 | 10歳〜 | やや軽め | 中価格帯 | サイコロ運込みの王道資源獲得型 |
| ワイナリーの四季 | 要確認(人数: 要公式確認) | 要確認(時間: 要公式確認) | 要確認(対象年齢: 要公式確認) | 中量級 | 中〜高価格帯 | ワイン造りの工程がそのまま手順になる |
| アルナックの失われし遺跡 | 要確認(人数: 要公式確認) | 要確認(時間: 要公式確認) | 要確認(対象年齢: 要公式確認) | 中量級 | 高価格帯 | ワーカー配置とデッキ構築の複合型 |
| エバーデール | 要確認(人数: 要公式確認) | 要確認(時間: 要公式確認) | 要確認(対象年齢: 要公式確認) | 中量級 | 高価格帯 | 世界観の強さとカード連鎖の気持ちよさ |
| ナショナルエコノミー | 1–4人 | 30–45分 | 12歳〜 | やや軽め | 比較的手を出しやすい価格帯 | 短時間でエンジンビルド感も味わえる |
| アグリコラ | 要確認(人数: 要公式確認) | 要確認(時間: 要公式確認) | 要確認(対象年齢: 要公式確認) | 重め | 中〜高価格帯 | 食料維持の圧が強い名作 |
| ウォーターディープの支配者たち | 要確認(人数: 要公式確認) | 要確認(時間: 要公式確認) | 要確認(対象年齢: 要公式確認) | やや軽め〜中量級 | 中価格帯 | 軽快な置き合いとカード相互作用 |
この7本の中で、最初の1本として最も素直なのは『ストーンエイジ』と『ナショナルエコノミー』です。
テーマ没入で入りたいなら『ワイナリーの四季』、複合メカニクスの現代的な面白さを見たいなら『アルナックの失われし遺跡』、見た目から入って長く遊びたいなら『エバーデール』が強い候補になります。
そこから一段階負荷を上げる位置に『アグリコラ』、軽快な読み合い寄りに『ウォーターディープの支配者たち』がいる、という並びです。
ストーンエイジ(Stone Age)——王道入門。2–4人/60–90分/10歳〜(要再確認)。サイコロの運もほどよく、初学に最適
『ストーンエイジ』は、ワーカープレイスメントを説明するときにまず名前が挙がる王道です。
資源を取り、人口を増やし、文明や建物に変換して得点化する流れがきれいで、「置いて、もらって、伸ばす」が1プレイの中で自然につながります。
2–4人、60–90分、10歳〜というスペック感も、初学者向けとして扱いやすい部類です。
難易度目安はやや軽め。
ルール量は多すぎず、しかし「欲しい場所を先に取られる」ワカプレの核心は十分に味わえます。
この作品の強みは、失敗してもゲーム体験が壊れにくいところです。
資源獲得にサイコロを使うため、計画通りにいかない場面はありますが、その揺れがむしろ初回では救済にもなります。
完全情報の取り合いだけで押し切るタイプより、「ちょっと運があるから前向きに置ける」という柔らかさがあるのです。
初回プレイは説明込みで2時間見ておくと収まりやすく、重さの印象も残りにくい設計です。
ベスト人数は3人か4人です。
盤面の競合が見えやすく、ワーカー配置の「先取りされた」「この手を通したい」がしっかり発生します。
2人でも十分面白いのですが、取り合いの圧はやや穏やかになります。
そのぶん、2人時は相手の妨害よりも、自分の成長ルートを見つける楽しさが前に出やすいところが強みです。
向いている集まりは、ボードゲーム経験がばらつく3人前後の卓です。
説明役が1人いれば流れを作りやすく、運要素が空気を和らげてくれます。
価格帯は中価格帯として見ておきたい立ち位置で、定番としては手に取りやすい部類です。
拡張前提ではなく、基本セットだけでワーカープレイスメントの基礎を学ぶには十分です。
ワイナリーの四季(Viticulture)——テーマ没入型。作業工程が直感的で説明しやすい。拡張は不要で基本でも満足
『ワイナリーの四季』の魅力は、ワイン造りというテーマとアクション構造が強く結びついていることです。
ブドウを育て、収穫し、醸造し、注文に応えて出荷する。
その一連の流れがそのままゲームの手順になっているため、メカニクスをテーマで覚えやすいのが大きいです。
難易度目安は中量級ですが、感覚としては数字の複雑さよりも「工程の理解しやすさ」が先に来ます。
ワーカープレイスメントの入門で重要なのは、「そのマスに置く意味」が一目で分かることです。
『ワイナリーの四季』はそこが優秀です。
春夏秋冬の区切りと、季節ごとにできることの違いがプレイのリズムを作るので、盤面を見ながら説明しやすい。
初めての人でも「今は畑の仕事」「今は出荷の準備」と理解しやすく、抽象度の高い経済ゲームより入り口が広いです。
ベスト人数は、中人数帯で会話しながら進めたい卓に向きます。
2人時は取り合いの窮屈さがやや薄れ、その代わりに自分のワイナリーを育てる満足感が濃く出ます。
ブロックの鋭さより、工程の積み上げを楽しむ体験になりやすいので、対立感の強いゲームが苦手な人とも合わせやすいのが特徴です。
向いている集まりは、テーマ重視で選びたい人がいる会、あるいは「いかにもボードゲーム然とした抽象感」が少し苦手なメンバーがいる卓です。
価格帯は中〜高価格帯で見ておきたい作品ですが、満足度は高い部類です。
拡張でさらに評価を高める人もいますが、基本セットだけで十分に完成度が高く、拡張前提で考えなくてよいのが強みです。
ワイナリーの四季 完全日本語版 - ArclightGames Official
ご購入はコチラから! メーカー:Stonemaier Games デザイナー:Morten Monrad Pe
arclightgames.jpアルナックの失われし遺跡(Lost Ruins of Arnak)——WP×デッキ構築の複合。メカ横断の楽しさを一皿で
『アルナックの失われし遺跡』は、「ワーカープレイスメントだけを学ぶ」よりも、「現代ボードゲームの複合メカニクスの面白さを味わう」方向に強い作品です。
ワーカーを置いて探検しつつ、カードを買ってデッキを強くし、研究トラックを伸ばす。
やることは多いのですが、それぞれが別々ではなく、配置がカードに影響し、カードが配置の自由度を広げるように連動しています。
難易度目安は中量級です。
このゲームの良さは、1手ごとの意味が単発で終わらないことです。
たとえば資源を取るだけの行動でも、それが次の探検や研究の足場になります。
ワーカープレイスメントを「置き場所の取り合い」としてだけでなく、複数システムの接続点として理解できるのが面白いところです。
ワカプレに慣れてきた人が一気に世界を広げやすい、良い橋渡し役だと筆者は感じます。
ベスト人数は、考えどころを楽しみたい2〜3人の卓と相性が良い印象です。
2人時でも盤面が間延びしにくく、相手の進行を見ながら「先に行くか、準備するか」の判断が面白くなります。
4人戦のような強い渋滞感より、2人ではルート構築の妙が見えやすいタイプです。
向いている集まりは、ワーカープレイスメント以外のメカニクスにも興味がある人がいる会です。
デッキ構築や探検テーマが好きな人が1人いるだけでも卓が立ちやすい。
価格帯は高価格帯寄りで、箱の満足感も強めです。
拡張が話題に挙がることはありますが、基本セットだけでゲームの核はきれいに完結しています。
エバーデール(Everdell)——世界観×エンジンビルド。見た目で入りやすく、“積み上がる気持ちよさ”が強い
『エバーデール』は、ワーカープレイスメントにカード連鎖の快感を強く掛け合わせた作品です。
森の住人たちの世界観が前面に出ていて、テーブルに広げたときの引き込みがとても強い。
かわいらしい見た目のゲームは軽い、という印象を持たれがちですが、本作は見た目の入りやすさに対して中身はしっかり考えさせます。
難易度目安は中量級です。
プレイ感の中心にあるのは、置いたワーカーで資源を取り、その資源でカードを出し、出したカードが次の手を楽にするというエンジンビルドの感触です。
序盤の少し窮屈な状態から、手番が進むごとに動きが滑らかになっていく。
その「積み上がっていく気持ちよさ」が分かりやすく、初めてでも成功体験を得やすい設計です。
ベスト人数は、見た目の楽しさと戦略性を両立したい卓に向きます。
2人時は読み合いが比較的穏やかで、自分の都市づくりに没頭しやすい体験になります。
逆に人数が増えると、欲しいカードや場所の競合がはっきりしてきて、かわいらしい外見に対して中身はシビアだと分かります。
そのギャップもこの作品の魅力です。
向いている集まりは、まず世界観で惹きつけたい会や、重すぎない範囲で「育っていく感じ」を味わいたいメンバーがいる卓です。
価格帯は高価格帯寄りで、豪華さ込みの作品と言えます。
拡張展開は豊富ですが、基本セットだけでも十分に満足できる仕上がりです。
ナショナルエコノミー(National Economy)——1–4人/30–45分/12歳〜(要再確認)。短時間でワカプレの芯を体験
『ナショナルエコノミー』は、短時間でワーカープレイスメントの骨格に触れたい人にとって優秀です。
1–4人、30–45分、12歳〜というコンパクトな設計で、遊び始めるまでの心理的なハードルが低い。
それでいて、置き場所の価値、手番順の重み、資源をどう回して仕事を増やすかというワカプレの芯はきちんと残っています。
難易度目安はやや軽めです。
筆者が特に良いと感じるのは、平日夜の2人戦に収まりやすいことです。
30〜45分級のゲームは説明と片付けを含めても枠を作りやすく、しかも本作は毎回エンジンの組み方が少しずつ変わるので、短いのに単調さが出にくい。
2人で60分前後のまとまりに落ち着きやすく、「今日は1本だけしっかり考えたい」という日にちょうど良いサイズです。
ベスト人数は、実感としては2人か3人です。
2人時はテンポが良く、自分の経済圏をどう整えるかに集中しやすい。
3人になると場所の競合が増え、短時間ながらワーカープレイスメントらしい圧が出ます。
4人まで入る作品ですが、このゲームの長所である軽快さを最も感じやすいのは少人数寄りです。
向いている集まりは、重すぎるゲームはまだ怖いが、ちゃんと考えたい人たちです。
短いから軽い、ではなく、短いのに判断の密度が高いのが魅力です。
価格帯も比較的手を出しやすい立ち位置として語られやすく、入門用の1本として座りが良い。
拡張前提ではなく、基本セットだけでゲームの輪郭が明快です。
💡 Tip
「2人で60分くらいに収めたいが、軽すぎるゲームでは物足りない」という条件なら、『ナショナルエコノミー』は刺さりやすい部類に入ります。短時間作品の中では、置く意味と経済の回り方がきちんと残ります。

ナショナルエコノミー | 『ゲームマーケット』公式サイト | 国内最大規模のアナログゲーム・ テーブルゲーム・ボードゲーム イベント
ナショナルエコノミー | 国内最大規模のアナログゲームイベント『ゲームマーケット』公式サイトです。
gamemarket.jpアグリコラ(Agricola)——名作重量寄り。食料維持の圧は強めで“次の一歩”に最適
『アグリコラ』は、ワーカープレイスメントの名作として外せない一方で、最初の1本よりは次の1本に向く作品です。
畑を耕し、家族を増やし、住居を広げ、動物を飼い、そのうえで食料を確保する。
この多層構造が美しく、1手の価値が濃い。
難易度目安は重めで、前のセクションでも触れた通り、食料維持の圧がプレイ感を大きく支配します。
このゲームの面白さは、単なる場所の取り合いではなく、生存を含めた全体最適を要求する点にあります。
欲しい行動は毎ラウンドいくつもあるのに、全部はできません。
しかも手を誤ると、成長が遅れるだけでなく生活そのものが苦しくなる。
この締め付けがあるからこそ、盤面が整ったときの達成感が大きいのです。
ベスト人数は、しっかり考えるゲームを好む2〜4人の卓です。
2人時は相手の手を読みやすく、長期計画の精度が上がります。
人数が増えるとアクション競合の圧が強まり、名作たる所以である「欲しい場所が足りない」がいっそう鮮明になります。
入門向けの柔らかさはありませんが、ワカプレの奥行きを知るには優秀です。
向いている集まりは、すでに軽〜中量級を何本か遊んでいて、次に歯ごたえを求める会です。
価格帯は中〜高価格帯で語られることが多く、定番重量級としての存在感があります。
拡張やカードセットの広がりはありますが、基本だけでも十分に厳しく、十分に面白い作品です。
ウォーターディープの支配者たち(Lords of Waterdeep)——軽快・明快なWP。カードの相互作用で読み合いが楽しい
『ウォーターディープの支配者たち』は、ルールの明快さと、実際に遊んだときの読み合いの濃さのバランスが良い作品です。
クエスト達成に必要な要素を集める流れが見えやすく、アクションも整理されているため、初回でも迷子になりにくい。
難易度目安はやや軽め〜中量級で、定番の中ではテンポ良く回る部類です。
ただし、軽いだけのゲームではありません。
陰謀カードや建物の相互作用があるので、盤面はプレイが進むほど表情を変えます。
配置する場所が増えること自体が戦略の分岐点になり、他人が作った場所を利用するか、自分の利益になる盤面を育てるかといった読み合いが生まれます。
このあたりは、王道型の『ストーンエイジ』とはまた違う軽快さです。
ベスト人数は、テンポを重視しつつ対話的なプレイを楽しみたい卓です。
2人時でも十分成立しますが、盤面の変化とカードのやり取りが映えるのは複数人戦です。
2人だとスマートに回るぶん、読み合いが少し直線的になりやすく、3〜4人のほうが「今その場所を使うのか」という空気が出ます。
向いている集まりは、重い作品には行きたくないが、置くだけで終わらない駆け引きは欲しい会です。
価格帯は中価格帯として見やすく、定番群の中でも導入しやすい側に入ります。
拡張があると変化は増しますが、基本セットだけで完成度は高いです。
ワーカープレイスメントを軽快に、しかしきちんと対話的に味わいたいときに強い1本です。
![[ボードゲーム] ウォーターディープの支配者たち 紹介|ゴクラキズム](https://gokurakism.com/wp-content/uploads/2017/08/170825.jpg)
[ボードゲーム] ウォーターディープの支配者たち 紹介|ゴクラキズム
ウォーターディープの支配者たちはTRPG「ダンジョン&ドラゴンズ」の世界を舞台にした2~5人用のワーカープレイスメントで
gokurakism.comシーン別おすすめ:最初の1本はこれ
最初の1本を選ぶときは、60分前後・2〜4人・維持コストが重すぎないところから入るのが安全です。
ワーカープレイスメントは「置く場所が埋まる」緊張感が面白さの核ですが、そこに複雑な維持や例外処理が重なると、初回は盤面より自分の手元の処理で手いっぱいになりやすい。
その点、テーマが直感的な作品は、何のためにその行動を取るのかが説明しやすく、会の立ち上がりが滑らかです。
筆者の感覚では、初参加者を含む会で『ワイナリーの四季』を出すと、ぶどうを育てて仕込み、熟成して出荷するという流れが頭に入りやすく、1年目の秋あたりには自然と全員が「次の冬までに何を整えるか」を話し始めます。
ルール理解が先に立つのではなく、作業工程のイメージが先に立つゲームは、最初の1本として強いです。
ボードゲームカフェで遊ぶ前提なら、席の使い方や会の組み立てはボードゲームカフェ初心者ガイドも相性が良い話題です。
初心者会向け:ストーンエイジ or ワイナリーの四季
説明のしやすさを優先するなら『ワイナリーの四季』、ゲームの基本形をつかませたいなら『ストーンエイジ』です。
『ストーンエイジ』は、資源を取り、食料を確保し、住居や発展を伸ばすという構図が素直で、ワーカープレイスメントの基礎である「早取り」「場所の競合」「限られた手数で何を優先するか」が見えやすい作品です。
2〜4人、60〜90分、10歳からという枠も、初回の候補として扱いやすい数字です。
初めてでも2時間あれば説明込みで着地しやすく、会の一本目として無理が出にくいのも大きいです。
サイコロの成果があるぶん、最適解だけに寄り切らず、場が少し柔らかくなるのも初心者会では利点になります。
一方の『ワイナリーの四季』は、ワイン造りというテーマがそのまま手順になっているのが強みです。
資源の名前や行動の意味が頭に入りやすく、「何をすれば前進なのか」が見えやすい。
ワーカープレイスメントに慣れていない人ほど、抽象的な資源交換より、工程の物語があるほうが迷いません。
初めての会で「ルールは覚えたけれど、何を目指せばいいかわからない」となりにくいタイプです。
安全策で選ぶなら、ゲーム会の雰囲気が軽快寄りなら『ストーンエイジ』、テーマへの没入感を重視するなら『ワイナリーの四季』という分け方がわかりやすいタイプです。
2人中心:ナショナルエコノミー/アルナック/エバーデール
2人で遊ぶことが多いなら、見るべきポイントは「待ち時間の短さ」よりも、少人数でも盤面の選択肢が痩せないかです。
その観点で最も取り回しが良いのは『ナショナルエコノミー』です。
1〜4人対応で、30〜45分という短さの中に経済の組み立てがきちんと入っており、2人戦でも「どこに置くか」の密度が落ちにくい。
平日夜に1本だけ回す用途と相性が良く、軽快さと考えどころの両立がうまいです。
『アルナックの失われし遺跡』は、2人戦だとテンポの良さが際立ちます。
ワーカー配置だけでなく、手札の使い方や移動先の開拓が絡むので、少人数でも盤面が薄く感じにくいのが特徴です。
相手に邪魔され続けるタイプの窮屈さではなく、自分の手番で組み上げる快感が強く出るため、2人でじっくり考えたい卓に向いています。
『エバーデール』は、2人だと世界観とカード連鎖の気持ちよさが素直に味わいやすい作品です。
配置競合の鋭さだけで押すゲームではないので、2人戦ではむしろ各自の村作りが見えやすくなり、気持ちよく展開できます。
ワーカープレイスメント単体の教科書として選ぶなら『ナショナルエコノミー』やアルナックに譲りますが、「2人で遊んで気分が良い」1本としては有力です。
2人中心で選ぶなら、短時間で回したいなら『ナショナルエコノミー』、複合的な判断を楽しみたいならアルナック、雰囲気と連鎖の快感を大事にするなら『エバーデール』が座りの良い選択になります。
60分前後で本格感:ストーンエイジ/ナショナルエコノミー
「軽すぎるゲームでは物足りないが、重い作品を広げるほどではない」という条件なら、『ストーンエイジ』と『ナショナルエコノミー』が特に安定します。
方向性は違いますが、どちらもルール量に対して、判断の納得感が大きいです。
『ストーンエイジ』は2〜4人、60〜90分で、王道のワーカープレイスメントらしい手触りがあります。
資源獲得、成長、得点化が一枚の流れになっていて、ゲームの途中で「今は食料か、今は発展か」という判断軸がはっきり出ます。
60分台で終わることもあれば90分寄りになることもありますが、説明と準備を含めても2時間枠で扱いやすく、本格感のある入門機として優秀です。
『ナショナルエコノミー』は公称30〜45分ながら、体感の密度はもっと濃いです。
短いから雑に終わるのではなく、少ない手数の中で経済エンジンをどこまで伸ばせるかに集中できるので、「ちゃんとゲームした感」が強く残ります。
60分前後の枠で考えるなら、説明・プレイ・感想戦まで含めて収まりやすく、忙しい日でも卓に出しやすいのが魅力です。
この二作の違いは、ワーカープレイスメントそのものを味わいたいか、経済の回転を凝縮して味わいたいかです。
前者なら『ストーンエイジ』、後者なら『ナショナルエコノミー』がぴったりです。
重ゲーへの橋渡し:ワイナリーの四季→アルナック→アグリコラ
重めのゲームへ進みたい人は、基本形→複合系→重量級の順で上がると失敗しにくくなります。
この流れにきれいに乗るのが、『ワイナリーの四季』→『アルナックの失われし遺跡』→『アグリコラ』という並びです。
『ワイナリーの四季』では、まずワーカー配置の基本に加えて、中量級らしい段取りの面白さを学べます。
何を先に仕込み、どの季節に何を進めるかという設計が見えやすく、手番の価値と準備の重要性が自然に入ってきます。
ここで「先を見て配置する」感覚が身につくと、次の作品がぐっと理解しやすくなります。
次のアルナックは、ワーカー配置にデッキ構築や探索の要素が噛み合う複合系です。
ここで学ぶのは、単に場所を押さえるだけではなく、自分のエンジンを複数のメカニクスで回す感覚です。
ワーカープレイスメントに他要素が乗ったとき、思考の負荷がどこで増えるのか、逆にどこが気持ちよくつながるのかが見えてきます。
その先に置く『アグリコラ』は、維持の厳しさを含めた重量級の魅力が前面に出る作品です。
食料、拡張、家族の増加、盤面の埋め方が一体化していて、ひとつの判断の遅れが後半まで響きます。
ここにいきなり飛び込むと「苦しい」だけで終わる人もいますが、前段階で段取りと複合処理に慣れていれば、厳しさそのものが設計の面白さに変わるのです。
複合メカニクスを楽しみたい:アルナック
ワーカープレイスメントを入口にしつつ、そこから一歩広い設計を味わいたいなら『アルナックの失われし遺跡』が最有力です。
この作品の面白さは、置き場所の取り合いだけで成立していないところにあります。
手札の処理、移動先の選択、リソース変換、研究の伸ばし方が一本の思考にまとまっていて、複数のメカニクスが互いに意味を与え合う設計になっています。
たとえば、ワーカーをどこへ送るかは、その場の空き枠だけで決まりません。
手札で移動を補助できるか、取った資源をすぐ研究に回せるか、次の手番のテンポが保てるかまで連鎖してきます。
ここが単純な配置ゲームとの大きな違いで、1手が盤面だけで閉じず、自分のデッキや将来の手番にまで響いていきます。
筆者はこのタイプを、「置いた瞬間より、置いた後が面白いワカプレ」として評価しています。
もちろん、最初の1本としては少し欲張りな選択でもあります。
ただ、ワーカープレイスメントの基本だけで満足せず、「他メカニクスと混ざったときの伸び方」に魅力を感じる人には刺さります。
純粋な基本形を学ぶなら『ストーンエイジ』、テーマで入るなら『ワイナリーの四季』、複合メカニクスそのものを楽しみたいならアルナック。
この三本は、入口の違いがそのまま適性の違いになっています。
よくある質問
Q. 初心者には難しい?
難しく感じやすいのは、ルール量そのものよりも「手数が限られている」「強い場所は早い者勝ち」という発想に慣れていないからです。
ここさえ掴めると、ワーカープレイスメントは見通しよく遊べます。
毎手番でやることは「今いちばん欲しい枠を押さえるか、後で効く準備をするか」の二択に整理しやすく、盤面の情報も基本的には公開されています。
入口として座りが良いのは、維持コストが重すぎず、1プレイの長さも扱いやすい作品です。
たとえば『ストーンエイジ』は2〜4人、60〜90分で、資源獲得から発展までの流れが素直ですし、初回でも説明込みで2時間あれば収まりやすい感覚があります。
もっと短く試したいなら『ナショナルエコノミー』のように30〜45分で回せる作品のほうが、手数制限の面白さをつかみやすい設計です。
最初は「厳しさ」より「判断の分かりやすさ」を優先したほうが、このメカニクスの良さが見えます。
Q. 2人でも面白い?
面白いです。
ただし、2人戦の良し悪しはメカニクス名だけでは決まらず、その作品が2人でどんな密度になるよう設計されているかで変わります。
盤面が広すぎる作品だと取り合いが薄まりやすく、逆に手番ごとの圧が程よく残る作品は2人でも冴えます。
2人適性の高い候補として挙げやすいのは『ナショナルエコノミー』『アルナックの失われし遺跡』『エバーデール』です。
『ナショナルエコノミー』は短時間でも経済の詰め方がはっきり出ますし、『エバーデール』は直接の締め付けが強すぎないぶん、2人では村作りの気持ちよさが前に出ます。
アルナックは特にテンポが良く、取り合いが緩すぎず重すぎもしないバランスが魅力です。
筆者も2人で遊ぶと、「邪魔したい場所はあるが、息苦しいほどではない」というちょうど良さを強く感じます。
2人だから薄い、ではなく、2人だから読み合いの輪郭がはっきりする作品もあります。
Q. 運要素はある?
あります。
ただし、どの程度を運に委ねるかは作品ごとの差が大きいです。
ワーカープレイスメントはしばしば「戦略ゲーム」の代表として語られますが、実際にはダイスやカードで揺らぎを入れる設計も少なくありません。
たとえば『ストーンエイジ』はダイスの出目が資源量に関わるので、狙い通りに伸びる回もあれば、一歩届かない回もあります。
この揺れがあるおかげで、初心者同士でも結果が固定されにくく、場が柔らかくなります。
一方で『アグリコラ』は、感触としては戦略寄りです。
どのアクションをいつ押さえるか、食料と拡張をどう両立するかが強く問われ、ランダムさで救われる場面は多くありません。
運の有無より、「その揺れが判断を面白くする方向か、厳しさを増す方向か」で受け取り方が変わります。
Q. 拡張は最初から必要?
不要です。
むしろワーカープレイスメントは、基本セットだけで設計の芯が分かる作品が多いので、最初から拡張まで抱える必要はほとんどありません。
まずは基本ゲームで、どの場所が競り合いになりやすいか、どの資源が詰まりやすいか、得点への道筋が何本あるかを掴むほうが、このメカニクスの理解は深まります。
拡張は選択肢や変化を増やしてくれますが、そのぶん初回の把握量も増えます。
特にワーカープレイスメントでは、置ける場所の意味を理解するだけでも十分に面白いので、基本を遊び切ってから追加要素を入れたほうが、何が変わったのかも明確です。
BoardGameGeek の Worker Placement を見ても、この仕組み自体が幅広い作品群で使われているので、まずは基本形を一作きちんと触る価値が高いです。
Q. 何から始めるべき?
基準をひとつに絞るなら、「60分前後で遊べる」「2〜4人で回しやすい」「テーマが直感的」の三つです。
これを満たすと、ルール理解と実際の判断がつながりやすく、初回で面白さまで届きやすくなります。
候補としては、王道を知るなら『ストーンエイジ』、短時間で密度を味わうなら『ナショナルエコノミー』の二本がとても分かりやすいことで体験の質が変わります。
前者は資源を集めて発展する流れが素直で、後者は短い時間で手数制限の妙がくっきり出ます。
JELLY JELLY STORE のワーカープレイスメントカテゴリにも掲載数がしっかりあり、価格帯や重さの幅が広いジャンルだと分かりますが、最初の一作は選択肢の多さより「盤面を見てやりたいことがすぐ分かるか」のほうを見落とすと、そこから先の判断が全部ずれます。
ワーカープレイスメント全体ではBodoge上でも作品数が多く、入口はいくらでもありますが、最初の2本は広くつまむより、性格の違う定番を並べて比べるほうが理解が早いです。
まとめ
ワーカープレイスメントの本質は、限られた手数で最優先の一手を先取りし、同時に代替案まで柔軟に設計するゲームだと捉えると、作品選びでもプレイ中でも判断がぶれにくくなります。
最初の1本は、60分前後・2〜4人・維持コスト軽め・テーマが直感的という軸で見れば外しにくく、候補としては『ストーンエイジ』『ワイナリーの四季』『ナショナルエコノミー』が頭ひとつ抜けます。
ここからは気になった候補を1〜2本に絞り、関連レビューやカテゴリ記事で並べて比べるのが近道です。
遊ぶ相手や集まり方に合わせて“シーン別”の分岐で選べば、最初の一作がそのまま次の一作への理解にもつながっていきます。
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